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集団イジメと言われても仕方ない!!・・・フランドル観戦終了!! [レース観戦]

昨日のハナシですが、ツール・デ・フランドル・・・・というかロンド・ファン・フラーンデレンを観戦してました。今更ですが、ツール・デ・フランドルはフランス語読み。ロンド・ファン・フラーンデレンはフラマン語(オランダ語)読みです。大会ロゴはロンドなのですが、やはり日本ではフランス語読みの方が馴染みが深いということなんでしょう。何せ「ツール」って言葉にビビッと反応しちゃうヒトが多いですからねぇ。

過去、某SNSでも書いてますが、このフランドル、僕が一年で一番楽しみにしているレースです。とにかく飽きない!展開が読めない!!グランツールが何日ものステージをこなすWRCラリーなら、ワンデーレースはF1です。その中でもフランドルはモナコGPとベルギーGPを足したようなもの(?)例えは適当ではありませんが、クラシックな格式と、ダイナミックなコースが魅力です。オールージュ(ベルギーGPのスパ・フランコルシャンサーキットの名物、超高速ヒルクライムコーナー)とコッペンベルグ(石畳の超激坂区間。今年はいませんでしたが、世界一流の選手が押して上がる程の激坂)が重なって見えます。ベルギー人はああいうの好きなんでしょうね!!

フランドルといえば、この石畳の激坂が特徴です。フランドル地方のレースはこの手のコースが多いのですが、その中でも超難関がこのツール・ド・フランドル。
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この石畳はパリのもので、これでも全然キレイな方だそうです。ベルギーのクラシックレースに使われる石畳は「荒れれば荒れるほど面白い」と言われるようです。

さて、今年のフランドルですが・・・・・予想外に、いや、予想通りに面白くて、例年通り、いや例年以上に残り100Kmからの展開から目が離せませんでした。

今年は良くも悪くも、昨年優勝のカンチェッラーラを中心に回ったと言えるでしょう。タイトルの「集団イジメ」とは、正にカンチェッラーラの事を指します。去年のスーパーなフランドル、パリ~ルーベ。そして、これは文字だけの情報ですので、詳しくは分かりませんが、今年の前哨戦のE3プライスでの驚異的な走りを目の当たりにして、「200対1」でも負けるんじゃね?(出走選手200名とカンチェッラーラ1名)と他チームに思わせたのかもしれません。

優勝候補はいろいろいたと思いますが、ベルギーのアイドルQuick Stepのトム・ボーネンは勿論、昨年アルデンヌクラシックで超絶な強さを発揮し、世界選手権は負けこそしたものの、大本命であったフィリップ・ジルベール。この2名が「カンチェッラーラがリタイヤする事があったら優勝候補」的な扱いだったと思います。そこまで絶対的な優勝候補は近年お目にかかれません。それほどにカンチェッラーラの独走力が図抜けていたと思います。

そんな中でのレース。レースの解説でも言ってましたが、カンチェッラーラ以外の人間が勝てるとしたら、2008年、2009年にQuick Stepのデヴォルデルが優勝したパターン。絶対的エースで絶対的優勝候補のトム・ボーネンを警戒し、逃げを容認し、結果最後まで逃げを捕まえられなかった・・・・というパターン。これはありえると思いました。今回のレースで言えば、同じQuick Stepのシルヴァン・シャバネルが逃げ集団に入った事が近い状況でした。

100Kmを切り、激坂石畳のクワーレモントから始まり、パーテルベルグ、コッペンベルグとこなすうちに、近年とは様相が違う事が分かってきます。なぜかメイン集団でのアタック合戦がありません。この辺でかなりすべてのチームがカンチェッラーラを恐れていた事が伺えます。ここで誰かがアタックして、そこにカンチェッラーラが追従して、超超ハイスピードでアタックをかけた選手が着き切れし、独走を許してしまう・・・・そんな悪夢が集団を駆け巡ったのではないかと想像します。そのおかげで、毎年名物である「コッペンベルグでの足つき、押し」が今年は殆ど見られませんでした。

先頭集団が着々と逃げ、後方のメイン集団も、付かず離れずの状態。小さいアタックは決まるものの、肝心のカンチェッラーラ、ボーネン、ジルベールあたりのアタックが発生せず、緊張した空気が流れていました・・・・と、その緊張を破る大きな動きを、やっぱりボーネンが起こします。ボーネンという選手は周囲の期待も大きいのでしょうが「待って勝つをヨシとしない」選手なんでしょうね。かなりの確率で自爆をしてしまうのですが、今回のアタックも少々自爆気味でした。というか、アタックの判断はよかったのかもしれませんが、相手のカンチェッラーラがやっぱり凄すぎた!!恐れていた「着き切れ」を起こし、カンチェッラーラに先頭集団を除けば「独走を許した」という結果になってしまいました。

しかし、ここからがカンチェッラーラに対する「集団イジメ」の本領発揮でした。見ていた時には「行った!!これでそのままカンチェッラーラが勝つかも!!」と思ってました。何せあのボーネンを(ちょっとタイミングが悪かったとはいえ)着き切れさせてしまうほどです。恐ろしい独走力です。戦前の「200対1でも負ける」と思えるシチュエーションが現実のものとなったのではないか?と感じた瞬間です。メイン集団が全力で追いかけても追いつかない。むしろ差が広がっている・・・・信じられない光景ともいえます。E3プライスがこんな展開だったように聞いています。

だがしかし、そこはフランドルです。E3とは出ている選手の層が違ったのです。先頭集団に追いつき、更に独走に入ったと思われた時に、シャバネルがいました。そして集団との差は1分前後を行ったり来たりでした。シャバネルはボーネンのチームメイト。普通の相手なら、エースが後ろにいても、逃げを決めている関係上、先頭交代をして、逃げを確実なものとして、エースでなくても優勝をねらう・・・・という事も考えられたでしょう。しかし、相手はカンチェッラーラです。ヘタに先頭交代したら、最後のカペルミュールで突き放される事が十分あります。そうなったら、あとは平坦基調。カンチェッラーラの独走を阻むものが無く、なすすべもなく負けるのでしょう。

更にフランドルというレース。絶対的エースのボーネンを勝たせる事が至上命題で、「チームが勝てばいい」という普通のロードレースの常識が通用しないレースです。Quick Stepは「ボーネンを勝たせる事」が目的なのです。(それで散々な目に毎年逢うのですが、今年もそれは変わりないようでした)。

差が1分前後を行ったり来たりしたのは、後から考えるとなかなか頭脳的でした。これはプロトンが意識していたのかどうか分かりませんが、通常ロードレースの場合、1分を切るとチームカーが入って来れなくなります。つまり、先頭独走鬼引きしているカンチェッラーラに対して、チームカーのサポートがしにくくなるのです。(絶対にダメという事ではないようですが、2~3分離れているという状況に比べれば、はるかにやりにくいはずです)。ミュールに入る前にカンチェッラーラがしきりにボトルを要求したものの、チームカーが上がって来れず、シマノのニュートラルサポートから「水」を受け取るシーンがありました。カンチェッラーラはかなり焦った様子でボトルを要求していました・・・それを見たとき「もしや・・・・」とは思いました。

その間、凄かったのはシャバネルです。あの超絶なカンチェッラーラの高速走行に食らい付いていたのです。前半から逃げ、後半にはカンチェッラーラとの二人旅。確かにツキイチではあるものの、2番目です。(二人しかいないので当たり前ですが)。風除けの効果は勿論あるのですが、それとて限定的です。それに長時間の逃げ。単にツキイチでいたのではなく、あくまでアシストに徹しているあの姿はスゴイ!!と思いました。

そして「ミュール・カペルミュール」。ここでヘタレた選手でフランドルを優勝した選手は記憶にありません。それくらい重要な局面で・・・・なんとカンチェッラーラが見る見る失速!!集団につかまりました・・・・

「集団イジメにあって終わったな・・・・」誰もがそう思いました。その中で、ヘタレたヒトがもう一人。ボーネンです。そして最後の難所のボスベルグでジルベールがアタック。ヘタレたボーネンの前方にはチームメイトのシャバネルが・・・・

この光景、どこかで見たことがある!!2007年、アレッサンドロ・バッランにミュールで置いてけぼりを食ったボーネン。そして、その前方にいたのは、チームメイトのパオロ・ベッティーニ。ミュールを抜けた平坦区間で、ボーネンを待つベッティーニ。しかし、最後はバッランに逃げられちゃいました。あの時、心の中で思ったものです。「ボーネンを切り捨てろ!!ベッティーニ!!」しかし、そうしなかったのは、やはりボーネンの絶対的エースと、フランドルというレースのなせる業でしょう。そしてその再現が今年もありました。ただし、あの時に比べ、先頭を追いかける集団の大きさが大きい。ほどなくボーネンと、なんと平坦で復活したカンチェッラーラが・・・・やはり恐るべしカンチェッラーラです!!

こんなに大集団でゴールを迎えるフランドルは浅い観戦歴の僕の中ではあんまり記憶にありません。とにかく最後の最後まで手に汗握る展開でした。最後はここまで一回も名前が出なかったニック・ナイエンスが優勝。僕の中でのレース中の印象はあんまりありません(Quick Stepファンなので許してください!!)。それでもシャバネルが2位、カンチェッラーラが3位というのは驚異的でした。あんだけ逃げ回った二人なのに・・・・

とにかく長文になりましたし、所詮シロウト観戦なので、思いっきり思い違いや間違いもあるかもしれませんが、とにかく今年もフランドルは面白かった!!そしてカンチェッラーラは強かった!!予想通り、いや予想以上に!!

しかし、勝ったのはナイエンス。確かに「強いものが勝つのではない。勝った者が強いのだ」「勝ったものだけが、いつも正しい」言い古されたロードレースの教訓的なフレーズがアタマをめぐりますが、それでもやはり今回一番強かったのはカンチェッラーラでした。でも、やはり相手は人間です。宇宙人でも何でもありません。勝てない相手ではなかったのです。これもまた、ロードレースの面白い所です。

さて、次週はパリ~ルーベ。またもやスーパーなカンチェッラーラ vs フツウの人々の戦いとなるでしょう。来週のレースも今から楽しみです!!
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LesAcak

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